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『昏き月、遠い星』ネタバレあり感想
ミリオンライブ、夜想令嬢 -GRAC&E NOCTURNE-のCDドラマがすごかつたので。
 ネタバレあり、といふか本編ドラマを聴いてゐないと意味が解らない文章かと。



 1曲目が『Prelude』でOPとして『昏き月、遠い星』があり、がつつりドラマを挟んでEDの『Everlasting』の後に『Overture』といふ構成。これはある種のループであることを暗示してゐますよね。かつてエレオノーラが辿つてきた道を今度はノエル(とアレクサンドラ)が辿るのであらうと。悲劇の連鎖。クリスとエドガーはそこから抜けられたけれど、そちらも無条件にハッピーエンドとは言ひ難く(詳細は後述)。

 復讐を求めるエレオノーラをヴァンパイアにした「彼」は恐らくクリスでせうね。CDだけではクリスが男性であることには触れられてゐないので一瞬ミスリードされがちですが(ミリシタのコミュで触れられた時に「クリスが男性である意味とは?」となつたのですが、ここでのミスリード+エレオノーラから逃げる際に女装をするやうになつた、といふことでせうか)。クリスの「罪」とは人を殺して血を吸ふといふだけではなく、エレオノーラを「生み出して」しまつたことなのでせう。

 Twitterで考察をしてゐる方の発言を読んでなるほど、と思つたのは、アレクサンドラがエレオノーラの血縁であり、ヴァンパイアは血縁者によつてのみ殺せるといふもの。ヴァンパイアの死の条件については謎が多いのですが、エレオノーラの最期の台詞から察するに、アレクサンドラが死んだと思つてゐた自身の子アンジェラ(またはその血脈)であることを悟り、その刃を受け入れることで不死のはずの彼女が死を得たのではないかと考へてゐます。
 実子であるのか子孫であるのかについては回想がどの程度昔のことなのかが述べられてゐないので不明ですが、実子であるとすればアレクサンドラは地方貴族に拾はれたことになりノエルとの血縁は無し、子孫であるとすればノエルとアレクサンドラは血縁(なので仮定を重ねることになりますがアレクサンドラのみがノエルを殺せる?)といふことになりますね。
 いづれにしてもアレクサンドラの「魔を祓ふ」力についてはエレオノーラは(少なくともそれが自分を殺せるほどのものとは)信じてゐなかつたやうに思はれます。アレクサンドラがヴァンパイアを殺したのもあれが初めてのやうですし、「ヴァンパイアハンター」といふ名目で権力の道具、兼気散じの玩具として使つてゐた側面が強いやうな。ここの真実は闇の中ですね。

 ヴァンパイアの死の条件としてもうひとつ、個人的にはこちらを推したいと思つたのが「ヴァンパイアは望みが叶つた時に死ぬ」といふもの。つまりエレオノーラがアレクサンドラの刃で死んだのは自らの子孫と再会できたことを悟り、心の救ひを得たからだと考へられます。ただこれを採用すると、エドガーは「約束の地」に辿り着いた時に死を得ることになり、そこでクリスは再び孤独に戻ることになります。ラスト近くで2人が花の咲く村へ着いた時に、喜びを露はにするエドガーに対してクリスに憂ひがあるやうに聞こえたのは、再びの孤独を思つてゐたのかも知れません(あるいは単に「約束の地」を信じられない心ゆゑなのかも知れませんが)。

 いづれにせよエレオノーラは死といふ救ひを得、復讐の狂気から解放されて退場し、クリスたちとアレクサンドラ姉妹の道は分かたれました。この続きはどう転んでもより陰惨な悲劇となるしか無いのでせうし、それを見たいといふのは野暮な気もします。それよりは昏く、しかし美しく閉ぢた世界に思ひを馳せつつ、ただ拍手を送るのがよいやうに思ひます。

 それにしても全編劇中劇で通して、キャストトーク的なアイドルの台詞も一切入れない作りはそれなりに勇気が要るものだつたやうに思ひます。コンテンツの力と受け手を信頼してゐるのでせう。それでこそミリオンライブといふか、ミリオンライブの「やばい」一側面をミリシタ発のコンテンツでもしつかり見せてくれたスタッフとキャストに今一度拍手を送り、この記事の終はりとしたく思ひます。

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2018/03/01 21:47 | Comments(0) | 記。

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